2020年度の「クレジットカードに関する総合調査」より、日本でのクレジットカード所有率が驚異の86.6%と過去最高を記録したと発表されました。
2020年は、新型コロナウイルス感染拡大により外出自粛となり、Amazonや楽天市場といったインターネット通販を利用する機会が増えたのではないでしょうか。その決済でクレジットカードを使用することも多かったと思います。
さらに、「キャッシュレス・ポイント還元事業」に加え、「マイナポイント事業」が開始されるなど、政府によるキャッシュレス推進施策が講じられ、PayPayや楽天Payなどのスマホ決済(QR・バーコード決済)が一気に広がった年でした。そして、そのような電子マネーへのチャージはポイントが付与されるクレジットカードからが最もお得になることが多く、実質、クレジットカードを使用しているのと変わらないと言え、間接的な支払いにもクレジットカードがよく使われました。
このような生活様式・消費行動の変化から、キャッシュレス化が加速し、今や現金で買い物する機会は激減したと言っても良いかと思います。
そうなると、クレジットカード会社には多額の手数料が入るわけですが、VisaとMastercardはアメリカの会社です。クレジットカードを使えば使うほど、数パーセントの決済手数料がアメリカに流れていくわけです。
キャッシュレス化は今後もますます進むのは間違いなく、日本人がお金を使えば使うほど日本の資本が海外に流れていくというのは非常に危険です。今回は、この点を前提として、クレジットカードの選び方について考えていきます。
クレジットカードの利用状況
ジェーシービーは2月18日、「クレジットカードに関する総合調査」2020年度版の調査結果を発表しました。その結果を基にまずはクレジットカードの利用状況を見ていきます。
調査は2020年9月、日本全国の20代~60代の一般消費者3,500名(うち男性1,740名、JCBカードの保有有無は不問)を対象にインターネットで行われたとのことです。
下図は月あたりのクレジットカード利用金額です。
1番利用しているクレジットカードの利用金額は月平均5.62万円、2番目に多く使うカードは月平均1.85万円、合計すると7.47万円となっています。年々増加傾向となっており、使わない人がほとんどいない状況であることがわかります。
次に、クレジットカードをよく利用する業種について見ていくと、1位「スーパーマーケット」(35.6%)、2位「オンラインショッピング」(34.8%)、3位「携帯電話料金」(32.2%)という結果でした。1位がオンラインショッピングではなく、スーパーというのは少し意外でした。他にもドラックストアやコンビニなど、身近な場所でもクレジットカードを利用しているのが目立ちます。
クレジットカード保有者の世帯あたり生活費に占めるクレジットカードの利用割合は、世帯あたりの月平均生活費は17.6万円、うち平均6.7万円分をクレジットカードで支払っている結果となりました。若者から年配者まで幅広い年代で使われているのもこの結果から見えてきます。
キャッシュレス決済はクレジットカードだけではありません。昨年、ポイント大還元などのキャンペーンで何かと話題になったスマホ決済ですが、その伸び率は目に見えて高いです。
よく使うキャッシュレス決済は、クレジットカード、電子マネー、スマホ決済の順でした。ほとんどの店で使えるクレジットカードはやはり強いですね。スマホ決済も使える店がどんどん増えているので、まだ伸びていきそうです。
クレジットカードの5大ブランド!一番使われているのは?
クレジットカードの世界5大ブランドと言えば下記になります。
- Visa(ビザ)
- Mastercard(マスターカード)
- JCB(ジェーシービー)
- American Express(アメックス)
- Diners(ダイナース)
少し古いデータですが、Nilson Reportが2015年に実施した調査によると、クレジットカード売上高の世界シェアは以下となっています。
1位が60%弱を占めるVisa、2位が30%弱のMasterCardとなっています。2枚でおおよそ90%。言い換えれば、この2枚を持っていれば、世界中で困ることはありません。3位のUnionPay(中国銀聯(ちゅうごくぎんれん))は、ほとんどが、デビットカード形式のため5大国際ブランドには入っていません。
次に、それぞれの特徴を見ていきます。
Visa(ビザ)
知名度・シェアともに世界No.1の国際ブランドです。使用できる国や地域、店舗の数いずれも、世界トップを誇ります。クレジットカードの国際ブランド別シェア率は、Visaが56%と過半数を超えています。
Mastercard(マスターカード)
Visaに次ぐシェアを誇るのがMastercardです。ヨーロッパ方面に強いといわれています。日本でもVisaが使えるところはMastercardも使えると言っても良いかと思います。
JCB(ジェーシービー)
日本生まれの国際ブランドです。海外での日本人サポートが充実しており、ハワイやグアム、台湾など、日本人に人気の観光地へ訪れる際に持っていると重宝します。あと、ロシアなどアメリカと疎遠にある国でのシェアが高いです。
American Express(アメックス)
ハイステータスな国際ブランドとして人気が高いのがAmerican Expressです。年会費が高く、お金持ちが持っているイメージが強いですね。通常のカードは利用可能限度額が設定されていますが、アメックスは限度額がありません。一流ホテルやレストランなどから日常で利用できる地域のお店まで、さまざまな優待サービスを受けられます。また、空港ラウンジを利用できるなど、質の高い特典やサービスに定評があります。
Diners(ダイナース)
年会費が高く、27歳以上のみ申し込めるハイステータスカードです。審査難易度が非常に高く、ステータスカードとしても屈指の人気を誇ります。会員限定のツアーや高級ホテルの宿泊優待、空港ラウンジ無料利用など付帯サービスの充実度が魅力です。
さて、ここまではそれぞれのクレジットカードの特徴を見てきましたが、ここでひとつ注目して頂きたいのが、JCB以外、すべてアメリカの企業が運営しているという点です。
何故日本ブランドのJCBが日本で使われないのか
日本でのシェアもVisa、Mastercardが圧倒しており、次いでJCBとなっています。
何故日本ブランドのJCBが日本であまり使われないのか。JCBに関する不満の声を集めてみました。
- JCBが普及しないのは、加盟店がすごい手数料を取られてしまうから。
- JCBは加盟店審査も厳しいから普及しずらい。高級店と富裕層向け。
- JCB持ってるけど使えないところが多い。
通常、クレジットカード使用時の手数料は我々消費者ではなく加盟店側が支払います。手数料は公開されていませんが、JCBが高いというは有名な話ですね。街中の店を見ても、Visa、Masterは使えて、JCBは使えないというのは、たまに見かけます。さらに、スマホ決済はJCBが使えないサービスが多いというのが現状です。
PayPay | Visa・Mastercard・ヤフーカードのみJCBが利用可能 |
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Origami Pay | Visa・Mastercard |
楽天ペイ | Visa・Mastercard・楽天カードのみJCB・American Expressが利用可能 |
海外へ日本資本が流出することの弊害
クレジットカードの利用が増えていること、日本でのクレジットカードのシェアがアメリカ企業が大半を占めていることをここまでで示してきました。クレジットカードの手数料は一般公開されておらず、店の規模などで異なってきますが、3%程度と考えます。これは、平成初期の日本の消費税と同じです。生活費の半分近くをクレジットカードで支払っているとすれば、その金額は膨大です。
海外へ日本資本が流出することで、日本内需が育たないため、経済・産業の発展が望めません。その結果、日本市場が魅力のないものとなり投資資金も集まらなくなり、産業も衰退するという、悪循環に陥ると考えられます。
まとめ
少し前まで、オンラインショッピングサービスの日本でのシェアは楽天市場がトップでした。しかし、2019年4月時点のデータでは、Amazonが楽天市場を上回り、利用者数は5000万人を超えています。
さらにスマホではiPhoneが、動画サイトではYoutube、SNSではTwitter、Facebook、Instagramが圧倒的人気です。IT分野で日本はアメリカや中国、韓国に惨敗している状況です。
グローバル化が進む社会において、良いものを使うというのは自然なことですが、日本製品やサービスも負けているとは思えません。スマホでは、AQUOSやXperiaがあり、動画サイトではニコニコ動画・生放送、SNSは、、mixi?。
さらに、需要が増えているクレジットカードの利潤まで取られてしまっては、「世界で損ばかりしている日本」という見られ方がまた広がってしまい、かつ、本当に損ばかりすることになってしまいます。
長くなりましたが、この記事で伝えたいことは、「JCBカードを一枚持ちましょう」ということです。