NHKは本当に必要なのかどうかについてまじめに考える

NHKは必ずしも必要なものではないのに、なぜ我々が受信料を払わなければならないのか。

コロナ禍で年収が下がって、無駄な出費を抑えている中、クレジットカードの明細を確認すると、2ヶ月に1度「NHK放送受信料 2,450円」という項目を見る度、この出費をどうにかできないかと考えてしまいます。
ただ、NHKの番組をまったく観てないのかというとそうではありません。今月から始まった土曜ドラマ「六畳間のピアノマン」は職場でのパワハラという現代社会の陰の側面をテーマにしており、なかなか良い。進撃の巨人やキングダムはおもしろいし、将棋が趣味なので日曜日のNHK将棋トーナメントもよく観ています。

しかし、それらだけのためにしては高すぎる受信料。
今回は、そのNHKが本当に必要なのかどうかをまじめに考えていきます。

NHKとは

まずはNHKとは何なのか、そこからおさらいしていきます。
NHK(日本放送協会)は、放送法に基づいて設立された特殊法人です。NHK本体とは別に、制作会社であるNHKエンタープライズ、NHKエデュケーショナルなど子会社・関連会社を17社所有しており、NHKグループを形成しています。

NHKはあくまで公共放送という位置づけであり、国営放送ではないと明言しています。そもそも放送とは、営利を目的として行う「民放放送」、国家が管理・運営する「国営放送」、そして、公的機関により非営利に行う「公共放送」に分けられます。NHKは公共放送なので、国家の管理下ではない、つまり政府から独立しているため、国家の統制を受けることなく自立した放送を行うことができます。財源は、国民から徴収した受信料となります。

ただ、国家の管理下にないといっても、放送法という日本の法律により、受信料の支払いを国民に義務付けていることから、公金(国家や地方公共団体がその目的を達成するための作用を行うにあたって用いる金銭)で運営されているという解釈になります。したがって、NHKの予算は毎年、国会の承認を得ることになっています。

なぜNHKは民営化されないのか

NTTや日本たばこ産業(JT)、日本郵便、JRなどはかつてはNHKと同じ特殊法人でした。しかし、官僚の天下り先として利用されているなど、世論の批判が高まり、特殊法人の改革によって、そのほとんどが民営化されています。現存するのは、日本年金機構や日本中央競馬会(JRA)、そしてNHKを含む、33の特殊法人になります(2020年4月時点)。

特殊法人とは、法律により設立された法人(会社)のことです。民間企業にはできない事業を行うことを目的に設立されます。

民間企業にはできない事業というところがポイントで、社会インフラに欠かせない電話も郵便も鉄道もすべて民営化されたのに、NHKが行う事業については民間にはできない事業とされているわけです。

では、それはなぜでしょう。NHKが放送しているニュースや災害情報などは各民放放送でも行っており、内容に差はほとんどありません。
NHKはその疑問についてホームページで以下のように記載しています。

放送法を改正してNHKを民営化することは、選択肢のひとつとしては考えられるかもしれませんが、NHKを民営化して、利潤確保のため視聴率競争を重視せざるをえない民放を、日本の放送界にもう1社増やすことが、果たして視聴者のみなさまの利益につながるかどうか、慎重に考慮する必要があります。視聴率競争によって、内容は優れているものの、視聴率が取れない番組は続けられないとなると、番組の画一化や質の低下が懸念されます。

地震災害や台風、国際的な大事件等、緊急時に行う長時間の報道や年間数十日にも及ぶ国会中継などの放送は、受信料で成り立つ公共放送だからこそ可能だと考えています。子ども向けの番組や福祉番組などを半世紀にわたって地道に放送し続けている教育テレビや、海外に向けて多彩な情報を発信する国際放送は、商業ベースでは容易に成り立たないのではないでしょうか。

膨大な情報がはんらんする本格的なデジタル時代にあって、公共放送の役割はいっそう大事になっています。視聴者のみなさまに負担していただく受信料を基盤とすることで、組織運営の独立性を保障された公共放送が、視聴率や市場原理にとらわれることなく、質の高い多様な放送を総合的に行うことが、これまで以上に重要になっていると考えています。

NHKは民営化できないのか

まあ、お決まりの言い分が記載されているわけですが、地震災害や台風情報は各民放放送局でも特別編成に組み替えて長時間放送してくれますし、視聴率が取れない番組は取れるように工夫したりしていると思います。今の時代、教育テレビで勉強する学生もいません。YouTubeなどの動画サイトにわかりやすい解説動画がたくさんあり、そちらを観てます。国会議事堂の中の討論を映しているだけの国会を中継するのに、あんなに高い受信料は必要ないはずですし、膨大な情報がはんらんする時代でも、インターネット上にはわかりやすくまとめてくれているサイトはたくさんあります。そして何より、本当に誰からの統制も受けずに公平な情報を発信してますか。

結局、期待する回答になってないんですよね。そもそも本当に必要だと思うなら、国民は必要だと主張します。それくらい見極める目は持っています。

なぜ受信料はこんなに高いのか

現在のNHK受信料は、口座振替・クレジットカード払いで地上契約が月額1225円(年額1万3650円)、衛星契約で月額2170円(年額2万4185円)です。現代の超万能ツールであるスマホの月額料金とほぼ同じです。インターネットを使えば、NHKよりも早く詳細に欲しい情報を入手することができます。TwitterやFacebookなどのSNSツールを使えば、NHKより、より近い立場にいる人からリアルタイムな情報を得ることができますし、自分からも発信することもできます。

NHKの予算はかなり巨額なものです。2014年3月期おける連結事業収入(民間の売上高に相当)は約7400億円。このほとんどが国民からの受信料とのことです。視聴率が好調な日本テレビと比較すると、売上高は約3400億円。2倍以上の規模となってます。

では、その巨額な収入はどこに消えているのか。

職員数はNHK本体のみで約1万人を超えており、平均年収は財務諸表上では1200万円程度と計算されますが、手当などを含めた年収は1500万円に達するとの報道もあります。
さらに、NHKは受信料の徴収業務の多くを外部に委託していますが、こうした徴収業務にかかる費用は580億円に達しているとされています。受信料を使って、徴収業務に580億円もの費用をかけている。

もう、本当に無駄です。

まとめ

特殊法人 NHKは必要ありません。特殊法人としての設立趣旨はすでに他の民放放送で達成できています。さらに災害情報はスマホがいち早く教えてくれます。国会や選挙放送が必要だと言うなら、月々100円程度の受信料にしてください。あとはスクランブルをかけてペイパービューとするなり、NHK制作番組のDVDや映画化、グッズ化などで収益をあげてください。

民営化した法人はうまくやってます。民営化の際に、いろいろ問題が挙げられた日本郵便も、郵便業務に特に支障を感じることはありませんでしたし、2015年には東証1部に上場してみせています。NHKもNHKの理念のもと、民営化してNHKならではの番組を作ってくれれば、みんな自然と応援すると思います。