
新品のノートパソコンであれば15万円~20万円程度が相場ですが、中古ノートパソコンなら2、3万円で購入できる。
そのコスパの良さが中古ノートパソコンの魅力です。
最新パソコンは日常生活で使う分にはオーバースペックであり、動画編集や3Dゲームをするわけではなければ、中古パソコンで十分だと私は思ってます。
ただその一方でトラブルも増えているようです。
- バッテリーが劣化しており、電源がないと起動できない
- 液晶ディスプレイが劣化しており、画面が暗かったり、ドット抜けがある
- 非正規ライセンスのソフトウェアがインストールされていた
定かではありませんが、コンピュータウイルスが仕込まれていたなんてことも聞いたことがあります。
そして何より、1、2年で実質的に使えないモノとなってしまうことも多いようです。
実際、私の親もそうしたノートパソコンを購入し、購入して間もなくして買い替えを検討する羽目になってまいました。
それはいったいどういうことなのか、今回の記事では昨年話題になった件を交えながら、激安中古ノートパソコンのメリットとデメリットについて考えていきます。
有償譲渡会
2023年、24年ぐらいにかけてでしょうか、ノートパソコンの有償譲渡会というものがいろいろな意味で話題になりました。
何を隠そう、私の親もこの有償譲渡会でノートパソコンを購入したそうです。
以下のようなチラシを見たことは多いかもしれません。私のところにも届いてまし、実家にも届いてました。

そして、このチラシを見て、会場へ行って購入してきたそうです。
「有償譲渡」という言葉、不動産や法律に関わっている方であれば常識なのかもしれませんが、お恥ずかしい話、わたしはあまり聞きなれない言葉でした。「譲渡」というわけですから、タダ、あるいはタダ当然で譲ってもらえるのかなと思いましたが、違うようです。
そもそも「譲渡(じょうと)」とは、「有償・無償を問わず、財産や権利などを他人に移転すること」であり、譲渡の中でも、無償で行われるものは「贈与」、有償で行われるものは「売却」と呼ばれるとのことです。
有償譲渡会の炎上理由
あるYouTuberが2024年9月に投稿した「パソコンの有償譲渡会の闇」という動画が大きな反響を呼び、大炎上になったことはすでにご存じかもしれません。
この動画では、譲渡会で提供されるパソコンのスペックや品質が実際には謳われているものよりも低いことやWindows11の要件を満たしていないのに無理やりWindows11をインストールし、それを販売していたことについて解説されています。
この動画をきっかけに譲渡会運営への批判が集まり、炎上したというわけです。
企業で使用するパソコンは、法人向けのパソコンレンタルサービスを使用していることが多く、5年くらいで返却して入れ替えることになります。
パソコンを購入してしまうと廃棄にもお金がかかりますし、データ消去等もしっかりやらないといけませんが、レンタルサービスはそうした面倒なところを行ってくれて、レンタルの方がコストが抑えらえるというメリットがあり、この手のサービスを利用している企業は多いはずです。
実際、私も本業では業者から借りているノートパソコンを業務で使っており、そろそろ交換時期が近づいています。そうしたパソコンはある意味、使い捨てのように使いつぶされていることが多く、本来はそのまま廃棄されてもおかしくないようなパソコンがまわってきているということです。
そのような元手がほとんどないものを数万円で販売していたわけですから、かなりの利益を得られていたのではないでしょうか。
私の両親もすでに70歳を超えておりますが、そういう高齢者に対しても、何年も前の型落ちしたパソコンを中古市場価格よりも高い値段で、「譲渡」という表現を使ってお得に見せかけて販売していた、というのはいかがなものかと思うところです。
最新のWindowsにバージョンできない
Windowsのバージョンと言えば、一般的に「XP」や「7」、「10」、「11」などを思い浮かべるかもしれませんが、Windows10や11にはそれとは別の「バージョン」というものがあります。
そして、それぞれのバージョンに「サポート期限」というものが設けられています。
Windows11であれば以下のようになります。
Windows11 バージョン 24H2 | 2026年10月13日 |
Windows11 バージョン 23H2 | 2025年11月11日 |
Windows11 バージョン 22H2 | 2024年10月8日 |
Windows11 バージョン 21H2 | 2023年10月10日 |
上表のとおり、Windows11だからといって、サポート期限は一律で同じではなく、バージョンによって異なります。そして、2025年2月時点では、「21H2」と「22H2」はすでにサポート期限切れとなっています。
サポートが終了すると、パソコンに必要な更新が受けられなくなります。その「更新」にも種類がありますが、特に「セキュリティの更新プログラム」の提供がなくなるというのは、パソコンを安全に使用していく上で致命的とも言える問題です。
私の親が購入したノートパソコンのバージョンはWinodws11の「22H2」であり、すでにサポート期限を過ぎてしまっています。
そして、23H2や24H2にバージョンアップしようにも、そのノートパソコンが要件を満たしておらず、バージョンアップできない状況です。
もともとWindows11のシステム要件を満たしていないパソコンへ強引にWindows11へインストールしたことで、Winodws Updateでバージョンアップ(メジャーアップデート)ができない制限に引っかかってしまったというわけです。
考えられる対策方法
最新のWindowsにバージョンできない場合の対策方法として考えられるのが、まず第一に買い替えるということです。
それが最も無難な方法であるということは言うまでもありませんが、そんなに安いものではないので、買い替えは難しいという場合もあるはずです。
無理やり最新バージョンにアップデートする方法はいくつかありますが、それらはどれもマイクロソフト非公認の方法です。
どうしたものかということなのですが、例の有償譲渡会で購入したノートパソコンで、「24H2」へバージョンアップできない場合、無償で行ってくれる窓口を設けているようです。

今回は、こちらを利用してバージョンアップできないか相談してみることにします。
まとめ
Windows10の最終バージョンである「21H2」のサポート期限が2025年10月14日となっており、期限切れが迫っているということで、Windows11への移行を急いでいるという情シス担当の方も多いのではないでしょうか。
Windows11であっても「21H2」と「22H2」はすでにサポート期限切れとなっており、そのまま使い続けるのは推奨されません。
ただ、Windows11であっても、「24H2」へバージョンアップができないという問題が結構多く発生しているようで、本記事の中にあったような声が広まっているようです。
本来、正規の購入店でWindows11に対応したパソコンを購入していれば、よほどのことがない限り、このような問題につまづくことはないのですが、10年近く前のパソコンに無理やりインストールしているようなものが中古市場で多く出回っているようです。
安価な中古ノートパソコンのコスパは非常に良いと言えるという点は私も同意ですが、こうしたデメリットもあるということも認識しておくべきでしょう。
「24H2」へ問題なくバージョンアップできたかどうかは、また後日、記事にしていこうと思います。